場合の数・確率の解き方
この分野の分かれ目は「順列と組み合わせのどちらを使うか」の一点に尽きます。ここを間違えると、そのあとの計算が正しくても答えは合いません。
1. 順列と組み合わせの使い分け
判断基準はひとつだけです。並べる順番が結果に影響するかどうか。
| 順列(P) | 組み合わせ(C) | |
|---|---|---|
| 順番 | 区別する | 区別しない |
| 典型例 | 並べる/順位をつける/役職を割り当てる | 選ぶ/取り出す/グループを作る |
| 式 | nPr = n × (n−1) × …(r個分) | nCr = nPr ÷ r! |
「AとBを選ぶ」と「BとAを選ぶ」が同じことなら組み合わせ、「1位A・2位B」と「1位B・2位A」が違うことなら順列です。
例:5人から3人を選ぶ
選ぶだけなら 5C3 = 10通り。3人に順位をつけるなら 5P3 = 60通りです。同じ「5人から3人」でも6倍違います。
2. 確率の基本
確率は次の割り算です。
確率 = 該当する場合の数 ÷ 全体の場合の数
大切なのは、分子と分母で数え方をそろえることです。分母を組み合わせで数えたなら、分子も組み合わせで数えます。片方だけ順列で数えると答えが合いません。
例題
袋に赤玉3個、白玉2個が入っている。同時に2個取り出すとき、2個とも赤玉である確率は。
- 全体:5個から2個を選ぶ → 5C2 = 10通り
- 赤2個:3個から2個を選ぶ → 3C2 = 3通り
- 確率 = 3 ÷ 10 = 3/10
「同時に取り出す」は順番を問わないので、両方とも組み合わせで数えます。
3. 「少なくとも」は余事象で
「少なくとも1つが赤」を正面から数えると、赤1個・赤2個・赤3個…と場合分けが増えます。「1 −(1つも赤でない確率)」で求めるほうが圧倒的に速く、数え漏らしも起きません。
同様に「隣り合わない確率」は「1 −(隣り合う確率)」で求めます。否定形が出てきたら余事象を疑うのが定石です。
4. 和の法則と積の法則
場合の数を数えるとき、足すのか掛けるのかで迷ったら、次の基準で判断します。
| 和の法則(足す) | 積の法則(掛ける) | |
|---|---|---|
| 条件 | 同時に起こらない | 続けて起こる |
| 言い換え | 「A または B」 | 「A かつ B」 |
| 例 | 赤玉を取る場合と白玉を取る場合 | 上着3着 × ズボン4本の組み合わせ |
「サイコロを2回振る」は積の法則で 6 × 6 = 36通り。「1回振って1か6が出る」は和の法則で 1 + 1 = 2通りです。場合分けなら足す、段階を追うなら掛けると覚えてください。
樹形図を使うべきとき
公式が使えるのは、条件がそろっているときだけです。「Aの次にBは来ない」のような制約が入ると、公式では処理しきれません。その場合は樹形図で書き出します。
全体が20通り程度までなら、書き出したほうが速く確実です。公式にこだわって時間を溶かすより、手を動かすほうが得点になります。
5. 条件つき確率
「1個目が赤だったとき、2個目も赤である確率」のように、前の結果によって状況が変わるタイプです。
取り出した玉を戻すかどうかで変わる
ここが最大の分岐点です。問題文の「戻さずに」「続けて」という表現を必ず確認してください。
- 戻す場合:分母は変わりません。5個入りなら2回目も 5 が分母です
- 戻さない場合:分母も分子も1ずつ減ります。赤3個・白2個から赤を1個取った後は、赤2個・白2個の計4個です
赤3個・白2個から戻さずに2個取り出して両方赤になる確率は、3/5 × 2/4 = 6/20 = 3/10。先ほど組み合わせで求めた 3/10 と一致します。どちらの数え方でも答えは同じになるので、やりやすいほうで解いてください。
6. つまずきやすい点
「同じものを含む」場合
同じ文字が複数あるときは、その重複分で割ります。たとえば「AABB」の並べ方は 4! ÷ (2! × 2!) = 6通りです。
「隣り合う」はひとまとめにする
隣り合う2つを1ブロックとみなして並べ、最後にブロック内の並び方(2通り)を掛けます。n個のうち特定の2つが隣り合う確率は、必ず 2/n になります。
答えは約分する
確率は既約分数で答えるのが原則です。3/6 のままでは減点される可能性があります。
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