場合の数・確率の解き方

この分野の分かれ目は「順列と組み合わせのどちらを使うか」の一点に尽きます。ここを間違えると、そのあとの計算が正しくても答えは合いません。

目次
  1. 順列と組み合わせの使い分け
  2. 確率の基本
  3. 「少なくとも」は余事象で
  4. 和の法則と積の法則
  5. 条件つき確率
  6. つまずきやすい点

1. 順列と組み合わせの使い分け

判断基準はひとつだけです。並べる順番が結果に影響するかどうか。

順列(P)組み合わせ(C)
順番区別する区別しない
典型例並べる/順位をつける/役職を割り当てる選ぶ/取り出す/グループを作る
nPr = n × (n−1) × …(r個分)nCr = nPr ÷ r!

「AとBを選ぶ」と「BとAを選ぶ」が同じことなら組み合わせ、「1位A・2位B」と「1位B・2位A」が違うことなら順列です。

例:5人から3人を選ぶ

選ぶだけなら 5C3 = 10通り。3人に順位をつけるなら 5P3 = 60通りです。同じ「5人から3人」でも6倍違います。

2. 確率の基本

確率は次の割り算です。

確率 = 該当する場合の数 ÷ 全体の場合の数

大切なのは、分子と分母で数え方をそろえることです。分母を組み合わせで数えたなら、分子も組み合わせで数えます。片方だけ順列で数えると答えが合いません。

例題

袋に赤玉3個、白玉2個が入っている。同時に2個取り出すとき、2個とも赤玉である確率は。

  1. 全体:5個から2個を選ぶ → 5C2 = 10通り
  2. 赤2個:3個から2個を選ぶ → 3C2 = 3通り
  3. 確率 = 3 ÷ 10 = 3/10

「同時に取り出す」は順番を問わないので、両方とも組み合わせで数えます。

3. 「少なくとも」は余事象で

「少なくとも1つ」を見たら余事象

「少なくとも1つが赤」を正面から数えると、赤1個・赤2個・赤3個…と場合分けが増えます。「1 −(1つも赤でない確率)」で求めるほうが圧倒的に速く、数え漏らしも起きません。

同様に「隣り合わない確率」は「1 −(隣り合う確率)」で求めます。否定形が出てきたら余事象を疑うのが定石です。

4. 和の法則と積の法則

場合の数を数えるとき、足すのか掛けるのかで迷ったら、次の基準で判断します。

和の法則(足す)積の法則(掛ける)
条件同時に起こらない続けて起こる
言い換え「A または B」「A かつ B」
赤玉を取る場合と白玉を取る場合上着3着 × ズボン4本の組み合わせ

「サイコロを2回振る」は積の法則で 6 × 6 = 36通り。「1回振って1か6が出る」は和の法則で 1 + 1 = 2通りです。場合分けなら足す、段階を追うなら掛けると覚えてください。

樹形図を使うべきとき

公式が使えるのは、条件がそろっているときだけです。「Aの次にBは来ない」のような制約が入ると、公式では処理しきれません。その場合は樹形図で書き出します。

全体が20通り程度までなら、書き出したほうが速く確実です。公式にこだわって時間を溶かすより、手を動かすほうが得点になります。

5. 条件つき確率

「1個目が赤だったとき、2個目も赤である確率」のように、前の結果によって状況が変わるタイプです。

取り出した玉を戻すかどうかで変わる

ここが最大の分岐点です。問題文の「戻さずに」「続けて」という表現を必ず確認してください。

赤3個・白2個から戻さずに2個取り出して両方赤になる確率は、3/5 × 2/4 = 6/20 = 3/10。先ほど組み合わせで求めた 3/10 と一致します。どちらの数え方でも答えは同じになるので、やりやすいほうで解いてください。

6. つまずきやすい点

「同じものを含む」場合

同じ文字が複数あるときは、その重複分で割ります。たとえば「AABB」の並べ方は 4! ÷ (2! × 2!) = 6通りです。

「隣り合う」はひとまとめにする

隣り合う2つを1ブロックとみなして並べ、最後にブロック内の並び方(2通り)を掛けます。n個のうち特定の2つが隣り合う確率は、必ず 2/n になります。

答えは約分する

確率は既約分数で答えるのが原則です。3/6 のままでは減点される可能性があります。

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