損益算の解き方
損益算でつまずく原因のほとんどは、「何の何%か」を取り違えることです。用語の関係さえ整理できれば、あとは順番に計算するだけの分野です。
1. 4つの用語の関係
| 用語 | 意味 | 式 |
|---|---|---|
| 原価 | 仕入れた値段 | —— |
| 定価 | 売ろうとした値段 | 原価 ×(1 + 見込む利益率) |
| 売価 | 実際に売れた値段 | 定価 ×(1 − 割引率) |
| 利益 | もうけ | 売価 − 原価 |
利益率は原価に対する割合、割引率は定価に対する割合です。ここを混同すると必ず間違えます。問題文を読むとき「何に対する%か」を毎回確認してください。
2. 原価を100とおく
原価が問題文で与えられていない場合、原価を100とおくと計算が一気に楽になります。
割合だけを問われる問題では、原価が実際にいくらでも答えは変わりません。100とおけば、%がそのまま数値になります。
たとえば「原価の3割の利益を見込んで定価をつけた」なら、定価は 100 × 1.3 = 130。これだけで済みます。
3. 例題:定価の何割引き
ある商品を原価5,000円で仕入れ、原価の40%の利益を見込んで定価をつけた。しかし売れなかったので、定価の25%引きで販売した。このときの利益はいくらか。
解き方
順番に計算します。飛ばさないことが重要です。
- 定価 = 5,000 ×(1 + 0.4)= 7,000円
- 売価 = 7,000 ×(1 − 0.25)= 5,250円
- 利益 = 5,250 − 5,000 = 250円
ここで 40% − 25% = 15% と引き算してしまうのが典型的な誤りです。基準が違うので引けません。40%は原価に対する割合、25%は定価に対する割合です。
4. 原価を逆算する問題
売価や利益から原価を求めるパターンです。定価を求める向きと逆なので、慣れていないと戸惑います。
例題
ある商品を定価の2割引きで売ったところ、原価の8%にあたる160円の利益が出た。この商品の原価はいくらか。
解き方
「原価の8%が160円」という関係だけで原価が求まります。
原価 × 0.08 = 160 → 原価 = 160 ÷ 0.08 = 2,000円
ここで「2割引き」の情報は使っていません。問題文の情報がすべて必要とは限らないのが損益算の特徴です。定価を求めさせる別の設問のために置かれていることがあります。
逆にいえば、条件が余っていても計算間違いとは限りません。求めたいものに直結する式を先に探してください。
5. 利益率の考え方
「利益率」は基準の取り方で2通りあり、どちらを指しているかで答えが変わります。
| 呼び方 | 基準 | 式 |
|---|---|---|
| 原価に対する利益率 | 原価 | 利益 ÷ 原価 |
| 売価に対する利益率 | 売価 | 利益 ÷ 売価 |
原価1,000円の商品を1,200円で売った場合、原価基準なら 200 ÷ 1,000 = 20%、売価基準なら 200 ÷ 1,200 = 約16.7% です。同じ取引でも数字が変わります。
SPIでは「原価の◯%の利益を見込んで」という原価基準の表現が中心ですが、問題文が「売上に対して」と書いていたら基準を切り替えてください。
原価・定価・売価を左から順に線分で書き、どの区間が何%かを書き込むと、基準の取り違えがほぼなくなります。数式だけで処理しようとすると、%の掛かり先を見失いがちです。
6. つまずきやすい点
利益がマイナスになることがある
値引きが大きいと売価が原価を下回ります。利益がマイナス=赤字(損失)で、計算間違いとは限りません。
「原価の何%の利益」と「売価の何%の利益」
どちらを基準にしているかで答えが変わります。問題文の主語を確認してください。
割引が2回ある場合
「2割引のあとさらに1割引」は3割引ではありません。0.8 × 0.9 = 0.72 なので28%引きです。割引は掛け算でつなぎます。
他の分野
- 推論の解き方最頻出。表に落として機械的に解く
- 場合の数・確率の解き方順列と組み合わせの使い分け
- 分野別の解き方 一覧全10分野