熟語の成り立ちの解き方
熟語の成り立ちは、知識ではなく手順で解けます。二字を1字ずつ訓読みして、短い文にする。これだけで5つの型のどれかに必ず落ちます。
1. まず「読み下す」
この分野で唯一やることは、熟語を短い文に開くことです。
「読書」なら「書を読む」。「日没」なら「日が没する」。「急流」なら「急な流れ」。文にした時点で、型はもう決まっています。逆に、文にできないまま選択肢を眺めていると、いつまでも決まりません。
熟語を見た瞬間に意味で判断せず、2字を分解して訓読みする。それが最初の一手です。
2. 5つの型
- 似た意味の漢字を重ねる:2字が同じような意味(温暖=温かい・暖かい)
- 反対の意味の漢字を重ねる:2字の意味が逆(増減=増える ⇄ 減る)
- 主語と述語の関係:前が「〜が」、後ろが「どうする」(日没=日が没する)
- 動詞の後に目的語をおく:後ろから前へ読む(読書=書を読む)
- 前の漢字が後ろの漢字を修飾する:前から後ろへ読む(急流=急な流れ)
出題はこの5つのどれかです。ポイントは読む向きで、目的語型は後ろから前へ、修飾型は前から後ろへ読みます。
3. 例題:成り立ちを選ぶ
次の熟語の成り立ち方として当てはまるものを選べ。
骨折
ア 似た意味の漢字を重ねる イ 反対の意味の漢字を重ねる ウ 主語と述語の関係 エ 動詞の後に目的語をおく
解き方
- 2字を訓読みする → 「骨」「折れる」
- 文にする → 「骨が折れる」
- 「〜が〜する」の形になった → 主語と述語。正解はウ
ここで「骨を折る」と読んでしまうとエになります。実際に折れているのは骨のほうなので、骨は主語です。迷ったら「誰が・何が」を探してください。
4. 例題:同じ成り立ちの熟語を選ぶ
次の成り立ち方をしている熟語を選べ。
前の漢字が後ろの漢字を修飾する
ア 救助 イ 洗顔 ウ 濃霧 エ 進退
解き方
- ア 救助 → 「救う・助ける」。似た意味
- イ 洗顔 → 「顔を洗う」。目的語型
- ウ 濃霧 → 「濃い霧」。修飾型。これが正解
- エ 進退 → 「進む ⇄ 退く」。反対
4つ全部を読み下してから決めます。1つ目が合っていそうでも最後まで確かめるほうが、結果的に速く終わります。
5. 1字違いで型が変わる
この分野でいちばん間違えるのが、字面が似ている熟語です。
- 増加=増す・加わる → 似た意味/増減=増える ⇄ 減る → 反対
- 寒冷=寒い・冷たい → 似た意味/寒暖=寒い ⇄ 暖かい → 反対
- 巨大=巨きい・大きい → 似た意味/巨木=巨大な木 → 修飾
- 大小=大きい ⇄ 小さい → 反対/大木=大きい木 → 修飾
いずれも1字しか違いません。熟語ごと丸暗記すると、この対で必ず崩れます。毎回読み下す習慣をつけてください。
6. 迷ったときに試す順番
型が思い浮かばないときは、次の順で当てはめると早く決まります。
- まず2字の意味が近いか逆かを見る(ここで決まるものが最も多い)
- 決まらなければ後ろから前へ「〜を〜する」と読んでみる
- それも違えば前から後ろへ「〜な〜」と読んでみる
- 残ったら「〜が〜する」。主語と述語
近い・逆の判定がいちばん速いので先に済ませます。読む向きを変える2手で、ほとんどの熟語が決まります。
7. つまずきやすい点
音読みのまま考えてしまう
「コッセツ」と読んでいる限り、型は見えません。訓読みに開くことが前提の作業です。
目的語型と主述型の取り違え
「骨折」「気絶」は、前の字が主語です。「洗顔」「点火」は、後ろの字が目的語です。動作しているのがどちらの字かで分かれます。
熟語を覚えようとする
出題される熟語は無数にあります。覚えるのは5つの型と読み下しの手順だけで十分です。
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