濃度算の解き方
濃度算は覚える式が1つしかないのに、正答率が最も低い分野です。原因は式ではなく、「濃度」をそのまま足したり平均したりしてしまうことにあります。濃度は割合なので、足せません。
1. 式は1つだけ
| 求めるもの | 式 |
|---|---|
| 濃度 | 食塩の重さ ÷ 食塩水の重さ × 100 |
| 食塩の重さ | 食塩水の重さ × 濃度 |
| 食塩水の重さ | 食塩の重さ ÷ 濃度 |
3つとも同じ式を変形しただけです。覚えるのは1行で足ります。
食塩水の重さ = 水の重さ + 食塩の重さです。「水200gに食塩20gを溶かした」なら、食塩水は220g。濃度は 20 ÷ 220 で、20 ÷ 200 ではありません。ここを取り違えると、以降の計算がすべてずれます。
2. 食塩の重さは変わらない
濃度算の問題は、ほぼすべてこの一文で解けます。
水を加えても、蒸発させても、別の食塩水と混ぜても、食塩そのものの重さは足し算でしか動きません。
- 水を加える → 食塩はそのまま、食塩水だけ増える
- 水を蒸発させる → 食塩はそのまま、食塩水だけ減る
- 食塩を加える → 食塩も食塩水も、加えた分だけ増える
- 2つを混ぜる → 食塩は足し算、食塩水も足し算
つまり手順は毎回同じです。①それぞれの食塩の重さを出す ②足す ③全体の重さで割る。濃度を直接いじろうとすると間違えます。
3. 例題:水を加える
10%の食塩水200gに、水を50g加えた。できた食塩水の濃度は何%か。
解き方
- 食塩の重さ = 200 × 0.10 = 20g(水を足しても変わらない)
- 食塩水の重さ = 200 + 50 = 250g
- 濃度 = 20 ÷ 250 = 0.08 = 8%
加えたのが水なので、1行目は最後まで20gのままです。ここを動かさないことが濃度算の要です。
蒸発の問題も同じです。「50g蒸発させた」なら食塩水が 200 − 50 = 150g になるだけで、食塩は20gのまま。濃度は 20 ÷ 150 ≒ 13.3% と濃くなります。
4. 例題:2つを混ぜる
8%の食塩水300gと、12%の食塩水200gを混ぜた。できた食塩水の濃度は何%か。
解き方
- 食塩 = 300 × 0.08 + 200 × 0.12 = 24 + 24 = 48g
- 食塩水 = 300 + 200 = 500g
- 濃度 = 48 ÷ 500 = 0.096 = 9.6%
ここで (8 + 12) ÷ 2 = 10% としてしまうのが最も多い誤りです。重さが違うので単純平均はできません。この問題では8%のほうが多いので、答えは真ん中の10%より8%側に寄って9.6%になります。
逆にいえば、答えは必ず2つの濃度の間に入ります。9.6%は8と12の間なので妥当、という検算に使えます。範囲の外に出たら計算間違いです。
5. てんびん法で速く解く
混合の問題は、比を使うと計算せずに答えが出ます。
混ぜる重さの比の逆が、濃度差の比になります。上の例題なら、重さは 300:200 = 3:2。濃度差はこれをひっくり返して 2:3 に分けます。
8%と12%の差は4なので、8%側から 4 × 2/5 = 1.6 動いた点、つまり 8 + 1.6 = 9.6%。同じ答えになります。
選択肢から選ぶ形式では、この方法だと10秒ほどで済みます。ただし慣れないうちは、先に紹介した「食塩を足して全体で割る」で確実に解いてください。速さより、確実に合うほうが点になります。
6. つまずきやすい点
濃度を足す・平均する
最も多い誤りです。濃度は割合なので、足しても平均しても意味がありません。足せるのは食塩の重さと食塩水の重さだけです。重さに直してから足す、と覚えてください。
「水」と「食塩水」の取り違え
「水180gに食塩20gを溶かす」と「20%の食塩水200g」は同じものですが、問題文の書き方が違うだけで別物に見えます。問題文が水の重さを言っているのか、食塩水の重さを言っているのかを最初に確かめると防げます。
蒸発で食塩が減ると思ってしまう
蒸発するのは水だけです。食塩は残ります。だから蒸発させると濃度は上がります。「減らしたのだから薄くなる」という直感が働きやすいので注意してください。
食塩を加える問題で分母を忘れる
食塩を10g加えたら、食塩の重さだけでなく食塩水の重さも10g増えます。分子だけ足して分母をそのままにする誤りが起きやすい形です。
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