速度算の解き方

速度算は式そのものは簡単なのに、正答率が伸びません。原因のほとんどは単位がそろっていないことと、速さを足していいのか引いていいのかを取り違えることの2つです。逆にいえば、この2つを潰せば大半が解けます。

目次
  1. 速さ・時間・距離の関係
  2. まず単位をそろえる
  3. 例題:出会いと追いつき
  4. 例題:通過算
  5. 平均の速さ
  6. つまずきやすい点

1. 速さ・時間・距離の関係

求めるもの式
距離速さ × 時間
速さ距離 ÷ 時間
時間距離 ÷ 速さ

1つの式を変形しただけなので、覚えるのは 距離 = 速さ × 時間 の1行で足ります。

2. まず単位をそろえる

最重要:計算する前に単位をそろえる

速度算の失点の大半はここです。時速(km/h)と分、mが混ざったまま計算を始めると必ずずれます。問題文を読んだ直後に、すべて同じ単位に直してから式を立ててください。

変換やり方
km/h → m/分× 1000 ÷ 60(=× 50/3)
km/h → m/秒× 1000 ÷ 3600(=÷ 3.6)
m/秒 → km/h× 3.6

特によく使うのは m/秒 → km/h は3.6倍です。秒速10mは時速36km。これは覚えてしまったほうが速いです。

「45分」のような時間も、時速で計算するなら 45 ÷ 60 = 0.75時間 に直します。0.45時間としてしまう誤りが非常に多いので注意してください。

3. 例題:出会いと追いつき

2人が動く問題は、速さを足すか引くかだけで決まります。

例題

1,800m離れた地点から、AとBが向かい合って同時に歩き始めた。Aは分速70m、Bは分速80mで進む。2人が出会うのは何分後か。

解き方

  1. 向かい合っているので、近づく速さは 70 + 80 = 150 m/分
  2. 1,800 ÷ 150 = 12 → 12分後

追いつく場合も同じ形です。「Aが出発してから5分後にBが追いかける」なら、まずAが進んだ距離(70 × 5 = 350m)を出し、それを速さの差で割ります。

4. 例題:通過算

列車の問題では、列車自身の長さを距離に足すのを忘れないでください。ここが通過算の唯一のポイントです。

例題

長さ120mの列車が、長さ480mの鉄橋を渡り始めてから渡り終わるまでに30秒かかった。この列車の速さは秒速何mか。

解き方

  1. 進んだ距離 = 480 + 120 = 600m(先頭が渡り始めてから最後尾が渡り終わるまで)
  2. 600 ÷ 30 = 20 → 秒速20m(時速なら 20 × 3.6 = 72km)

ここで 480 ÷ 30 = 16 としてしまうのが典型的な誤りです。列車の最後尾が橋を出るまで「渡り終わった」ことにならないので、列車の長さぶん余計に進んでいます。

5. 平均の速さ

速さは単純平均できません。ここが濃度算と同じ構造のつまずきです。

例題

ある道のりを、行きは時速4km、帰りは時速6kmで往復した。往復の平均の速さは時速何kmか。

解き方

片道の距離を12km(4と6の最小公倍数)と仮に置くと楽です。距離は問われていないので、何とおいても答えは変わりません。

  1. 行き 12 ÷ 4 = 3時間、帰り 12 ÷ 6 = 2時間 → 合計5時間
  2. 往復の距離は 12 × 2 = 24km
  3. 24 ÷ 5 = 4.8 → 時速4.8km

(4 + 6) ÷ 2 = 5 km/h としてしまうのが誤りです。遅いほうに長い時間がかかるので、平均は遅い側に寄ります。4.8は5より小さく、4と6の間にある——これが検算になります。

6. つまずきやすい点

単位をそろえずに計算を始める

最も多い失点です。分速と時速、mとkmが混ざったまま式を立ててしまいます。問題文を読んだ直後にそろえることを手順として固定してください。

「45分」を0.45時間にしてしまう

時間の単位は60進法なので、45 ÷ 60 = 0.75時間です。10進法の感覚で書き換えると必ずずれます。

速さを平均してしまう

往復や区間ごとに速さが違う問題で、単純平均は使えません。「距離の合計 ÷ 時間の合計」に戻るのが唯一の正しい手順です。

通過算で列車の長さを足し忘れる

橋やトンネルでは列車の長さを足します。逆に「電柱を通過する」なら足しません。どこからどこまでを「通過」と呼んでいるかを、図を描いて確かめると確実です。

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